ジョリーフォニックスについて
Jolly Phonics は「シンセティック・フォニックス」の指導法を全面的に採用しています。この指導法では、まず綴りの音そのものの指導から入り、その後子どもたちが自分の力でそれらの音を結合(シンセサイズ)して単語を読んでいくことができるよう指導していきます。
読み書きの学習ステージは大きく次の2つに分けられます。
フォニックス・読み書きの基礎となる力をつけるステージです
グラマー・よりよいコミュニケーションのための幅広いスキルを習得します
フォニクス ステージ
ジョリーフォニックスの体系的な手法は、読み書きを勉強する上で必須な、5つのスキル習得を保証します。カリキュラムに沿って5つのスキルを同時に学んでいきます。
1. 文字の音を覚えること
2. 文字の形を覚えること
3. ブレンディングすること
(文字と文字をつなぎ合わせて一つの単語として読むこと)
4. 単語の中にある音を識別すること
5. ひっかけ単語を正しく 綴ること
Jolly Phonicsでは、26個のアルファベットのみでなく、英語の主要な42個の音を学習します。これらの音は7つのグループに分けられます。それぞれの音ごとに子どもたちがその文字を覚えやすいような固有のアクション (動作) が設定 されています。その中のいくつかはeeやorのように二つの文字で表記されており、それらはdigraph (ダイグラフ) と呼ばれています。ダイグラフの中には、一つの表記で二種類の音を表わすものもあります。例えば、bookやmoonの中のooや、thatやthreeの中の thがそれにあたります。
こういった二種類の音を区別するために、ダイグラフは二種類の書体で表記されています。
Group 1: s a t i p n
Group 2: ck e h r m d
Group 3: g o u l f b
Group 4: ai j oa ie ee or
Group 5: z w ng v oo oo
Group 6: y x ch sh th th
Group 7: qu ou oi ue er ar
子どもたちはそれぞれの文字の正しい筆順を学びます。 そして、ブレンディングを教わります。ブレンディングとは、単語に含まれる「文字(綴リ)の音」を一つずつ発音し、それらの音を結合させて単語を発音するスキルのことで、d-o-g の個別の音を結合してdogと読む方法がそれにあたります。その方法をどの子も学ぶ必要があり、練習することで必ずどんどん上達していきます。
単語をどう綴ればいいかを知る一番簡単な方法は、その単語の中の音にしっかりと耳を傾けることです。この方法はセグメンティングと呼ばれ、ちょうどブレンディングと逆のことをすることになります。最初はcatやhotのようなわかりやすい三文字三音単語から始めましょう。単語を発音しながら、その音に合わせてトントントンと三回拍子を打つとよいでしょう。その拍子に合わせそれぞれの音を発音します。ダイグラフには注意してください。例えばfishという単語は四文字ですが、音は/f-i-sh/と3つしかありません。
英単語の中には、saidやwas、oneのように、ブレンディングによって読むことができない不規則な単語があります。しかも残念なことに、こうした多くの単語は使用頻度が高いものなのです。こうした不規則な 単語は暗記するしかなく、“tricky words” (ひっかけ単語) と呼ばれています。Jolly Phonicsではsaid、was、theのような不規則単語 または “tricky words”(ひっかけ単 語)も併せて学習するようになっています。
グラマー ステージ
Jolly Phonicsではフォニックスの段階は(英語圏で)小学校での最初の1年分の内容をカバーします。その後、グラマー1から6まで1年ずつ6年間を通して文法(補助符号の指導も含む)と綴りの指導を継続していくこととなります。指導は能動的で且つ多感覚を重視しています。色分け(モンテッソーリ教育で使用されているものに準拠しています)や品詞ごとのアクションを効果的に使い、既習のフォニックスの知識を復習・定着させつつ、さらに学習を進めていきます。
グラマーでは大きく分けて「文法(補助符合の指導も含む)」「綴り」の2つの分野に分けられます。
「文法」という言葉の定義は広く、品詞はもちろんのこと、句読点などの補助符号といったような言語の構造に関する部分から、比較級・最上級や同音異義語といったような単語の意味や使い方に関する部分まですべてが対象となります。グラマーでの指導内容を簡単に見てみましょう。大文字の読み書きを復習し、アルファベット順の並べ方や辞書の使い方を学び、そして校正の練習をします。
さまざまな種類の綴りの概念やパターンを学びます。これにより、子どもたちは綴りの知識をより強固なものとして拡張していくことができます。そうして英語の綴りのルールの枠組みを理解していくことにつなげていくのです。毎週の綴りの授業では、学習対象となる綴りのリストが提示され、聞いた単語や文章を書き取る練習も行われていくことになります。
グラマーを学習している子どもたちをみていると、その「書く力」にもっともめざましい進歩が見られます。綴りや補助符号の使い方がより正確になり、より豊富な語彙を使いこなし、言語としての英語のしくみを明確に理解するようになります。こういった技能の向上は、書くことだけでなく話すことにおいても、自分自身をより正確に表現できることにつながっていくのです。
さらに詳しいJolly Phonicsの情報については、Jolly Phonicsのホームページwww.jollylearning.co.uk、もしくは私どものワークショップにてご確認ください。またプログラムや5つの基礎スキルの用い方を楽しく面白くできるよう是非学んで、クラスやご自宅での学習にお役立てください。
Jolly PhonicsはイギリスのLowestoft(ローストフト)にあるWoods Loke(ウッドローク)小学校で教師を務めていた Sue Lloyd(スー・ロイド)と Sara Wernham(セーラ・ワーナム)によって開発された教材群です。ジョリーラーニング社は1987年創立の英国の民間出版社です。